BOIは、世界で売上1位を誇る中国大手家電ブランド「ハイアール(Haier)」による130億バーツ以上の投資奨励を承認しました。タイをハイアールの最大の空調機器製造・輸出拠点へと格上げし、技術の変革により急成長している家電業界に対応します。新工場は1年以内に稼働する予定で、3000人以上のタイ人を雇用し、年間320億バーツの輸出増加が見込まれます。
投資委員会(BOI)長官のナリット・テートサティーラサック氏によると、BOIから権限を委任されたプロジェクト検討委員会がハイアール・アプライアンス・マニュファクチュア株式会社のスマート空調機器製造事業を承認しました。同社は、「ハイアール(Haier)」のブランド名で知られる中国の大手家電メーカーであり、ユーロモニターのランキングで2009年から2023年までの15年連続で売上世界1位となっています。
このプロジェクトでは、データを検出、受信でき、Wi-Fiネットワークを介してスマートフォンや他の機器と接続することができるスマート空調家電を年間6百万台生産予定で、投資額は134億バーツに達します。新工場は、チョンブリ県のWHAイースタンシーボード3工業団地内に位置し、面積は200ライ(約32万平方メートル)です。フェーズ1では300万台の生産能力を整え、2025年9月に生産を開始し、2027年には全面稼働します。3000人以上のタイ人を雇用し、輸出額は年間320億バーツを超える見込みです。
「ハイアールは、新工場の建設のため大規模な投資を決定しました。タイの優れたインフラ、特に安定した電力供給、強固なサプライチェーン、物流面が整備された戦略的な場所に位置していること、輸出をサポートするための港湾や利便性の高い輸送路があることを評価し、タイを中国国外で最大のスマート空調家電の製造拠点に選定しました。また、政府の投資促進策も評価されました。この投資はタイにとって雇用創出や人材育成、国内原材料の活用、世界市場におけるタイの輸出拡大に寄与します」とナリット氏は述べています。
ハイアールグループは、チョンブリー県の新プロジェクトの他に、これまでにもハイアール・エレクトリック(タイランド)株式会社がタイで冷蔵庫、洗濯機、電気炊飯器、電気ポット・電気ケトル、冷蔵庫用コンプレッサーなどの製造事業に対して投資奨励を受けており、合計9件、総投資額は30億バーツに上ります。プラチンブリー県カビンブリ工業団地にあり、現在、旧工場での冷蔵庫製造事業を拡大する準備を進めています。
現在、タイはASEAN地域の電化製品産業の主要な生産拠点であり、タイの主要な輸出製品です。AIや5G、IoTなど消費者がインターネットを介して自宅にあるさまざまな機器に接続し、コントロールすることで現代社会の生活のスタンダードを変えたデジタル技術の発展することでスマート家電製品の市場は今後も拡大し続ける見込みです。
電気機器産業の「スマート家電」へのアップグレードを促進することは、BOIの主要な目的の一つです。電気機器やその部品産業において、2023年から2024年6月までに144件のプロジェクト、合計985億5000万バーツの投資額が申請されました。このうち80%以上がスマート家電製品のグループに属しています。ハイアールに加え、三菱、ソニー、ダイキン、サムスン(Samsung)、エレクトロラックス(Electrolux)、美的(Midea)などの主要ブランドもタイを製造拠点としています。