BOIは、ウエスタンデジタル(WD)によるアユタヤおよびプラチンブリーのハードディスクドライブの生産拠点拡大のための230億バーツを超える大型プロジェクトへの投資奨励を承認しました。これは、より効率的なデータ収集・解析が求められるクラウドテクノロジーまたはデータセンターの拡大をサポートするため、世界のハードディスク産業が成長し続けている傾向を反映しています。
投資委員会(BOI)長官のナリット・テートサティーラサック氏は、BOIから委任を受けたプロジェクト検討小委員会がウエスタンデジタルストレージテクノロジー(タイランド)社によるアユタヤのバーンパイン工業団地およびプラチンブリーの304工業団地におけるハードディスドライブおよび関連設備の生産拠点拡大の投資額235億1600万バーツの投資奨励を承認したことを明らかにしました。
ウエスタンデジタル社(Western Digital: WD)は、世界的なアメリカのハードディスクドライブの大手メーカーです。これまでに富士通、日立、サンディスク、コーマグといった大手会社のデータストレージ事業を買収し、現在では世界市場の40%以上のシェアを占めています。1997年からタイに生産拠点を置き、継続的に投資を拡大しています。従業員は2万8000人おり、タイ工場は最終組立と検査機能を持つ唯一のハードディスク製造工場となっています。
ウエスタンデジタル社は、ハードディスクの製造に加えて、ハードディスク関連技術の研究開発、STEM分野での共同教育事業や人材流動化事業などさまざまな形での人材育成、工場における再生可能エネルギーの活用、グローバル・ライトハウス・ネットワーク(Global Lighthouse Network)を受賞したスマートファクトリー開発やスマートファクトリー分野でのタイ中小企業の育成などタイにとって有益な事業を行なっています。
今回のウエスタンデジタル社の大規模な追加投資は、タイ経済に非常に大きな恩恵をもたらします。年間輸出額は2000億バーツ増加し、タイ人雇用が1万人以上増え、関連事業にも効果をもたらすと予想されます。電子回路基盤(PCBA)、金属およびプラスチック部品、電源キットなどは国内の原材料が使用され、これらの年間総額は810億バーツを超え、原材料の45%を占めています。
世界のハードディスク産業のトレンドは成長し続けています。クラウドやデータセンターの拡大に加え、生成AIや5Gなど最新技術にも対応するため、効率的な情報収集・解析システムが求められています。タイは、世界のハードディスク製造の主要な製造拠点であり、現在、全世界のハードディスクの80%、特にウエスタンデジタル社やシーゲート社のような大手のハードディスクメーカーの製品がタイで製造されています。シーゲート社は、2023年に160億バーツを超える大規模な追加投資を行ったばかりです。この10年間(2015年から2024年6月)で、ハードディスクおよび部品産業において、合計42件、投資額は826億バーツを超える投資奨励の申請がありました。
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