EV 委員会は、自動車メーカーが環境に優しい新技術に移行することへの支援措置を承認した。2028 年~ 2032 年まで HEV 車の物品税率を引き下げることにより、タイをグローバルな電気自動車の一貫生産拠点に押し上げる。この措置により、投資金額が500億バーツ超えると予想されている。
国家電気自動車政策委員会 (EV 委員会)の委員兼事務員として務めた投資委員会(BOI)長官のナリット・テートサティーラサック氏は、ピチャイ・チュンハバジラタイ副首相兼財務相を議長とするEV委員会会議で「電気自動車産業への移行支援措置」が承認され、内燃機関システムと電気システムを組み合わせた自動車技術であるハイブリッド車(HEV)の乗用車および乗車定員10人以下の車両に対する物品税率を引き下げることを明らかにした。環境に優しい車両に移行でき、現代技術の方向性と一致し、かつより完全に一貫した自動車生産ハブとなることでタイの自動車産業の競争力を長期的に維持するために、自動車産業を支援することを目的としている。国民生活の質の向上と低炭素社会突入というニーズに応え、タイを「グローバルなあらゆる電気自動車の生産・輸出ハブ」へと導くためにタイへの継続的な投資を促進するために、炭素排出量の削減、追加投資、国内製造の主要部品の使用、および自動車安全システムの設置という4つの重要な条件がある。
HEV車の製造支援措置により、2028年~2032年にかけて物品税率が一定レベルに引き下げられることになる。以前は税率は2年ごとに2%ずつ上げると言うものであった。恩典を申請するHEV車製造会社は恩典を取得する前に次の 4 つの条件に従わなければならない。
(1) 二酸化炭素 (CO2) 排出量は 120 g/km を超えてはならない。
- CO2排出量100g/km以下の場合、物品税率6%となる。
- CO2 排出量 101 – 120 g/kmの場合、物品税率 9%となる。
(2) 2024年~2027年までタイの自動車製造会社および/または関連会社による追加の実質投資が有し、30億バーツ以上であること。
(3) 国内で製造または組立された主要部品を使用しなければならない。 恩典申請モデルの HEV 車には、2026 年から国内で製造されたバッテリーを使用し、かつ2028 年以降その他の主要部品を使用しなければならない。次の 2 つのグループに分けられる。3 つの高価値の主要部品がトラクション モーター、リダクションギヤ、インバーターである。そして、8 つの中価値の主要部品がBMS、DCU、BEV用エアコンコンプレッサー、電気回路ブレーカー、DC/DCコンバーター、高電圧ハーネス、バッテリー冷却システム、回生ブレーキシステムである。なお。投資額による。
(3.1) 50億バーツ以上の追加投資の場合、高価値グループで 3 つの主要部品を使用するか、高価値グループで 2 つの部品と中価値グループで 2 つの部品を使用するか、高価値グループで 1 つの部品と中価値グループで 4 つの部品を使用するという選択ができる。
(3.2) 30 億バーツ以上 50 億バーツ未満の追加投資の場合、3 つの高価値の主要部品を使用しなければならない。
(4) 恩典申請モデルの HEV 車には、次の6つのシステムのうち少なくとも4 つ以上のインテリジェント安全システム(Advanced Driver Assistance System: ADAS)を設置しなければならない。それは先進緊急ブレーキシステム (AEB)、前方衝突予測警報システム (FCW)、車線維持支援システム (LKAS)、車線逸脱警報システム (LDW)、死角検出システム (BSD)、およびアダプティブ・クルーズ・コントロールシステム (ACC) である。
EV委員会会議では、BOIおよび財務省は発表前にこの措置を検討し認可するために内閣に提出することを委ねられた。
「HEV車は輸出向けの製造および国内での販売において高い成長の可能性を秘めたセグメントである。これは省エネや、粉塵・煙と温室効果ガスの問題軽減のニーズに応えることができ、電気自動車への移行を支援する技術でもあるからである。政府は HEV 車セグメントの重要性を認識しており、この措置を講じた。 5社以上の自動車メーカーが参加に関心を持ち、今後4年間で500億バーツ以上の継続的な投資金額が発生することが予想されている。それに、国内製造部品の使用比率を高めさせ、タイ部品メーカーの基盤を維持・拡大させ、グローバルな一貫自動車製造ハブとしてのタイの強みを強化させることにもなる。」とナリット氏は述べた。
さらに、EV委員会は、BOIが電気自動車産業プロジェクトへの投資促進を認可した政府の電気自動車産業促進措置の成果が確認できた。様々なBEV車、バッテリー、主要部品の製造、並びに充電スタンドの投資総額が800億バーツ以上となっている。物品税局によるEV3およびEV3.5措置に関してはこの対策に 24 つのブランドが参加しており、全ての種類の車両数が 118,000 台を超えている。2024 年上半期の BEV 電気自動車の登録台数が 37,679 台となり、前年度同期比19% 増となっている。また、電気バイクの登録台数が13,634 台で38%増となっている。現在、タイの全ての種類の BEV 車の累計登録台数は183,236 台となっている。