BOIは、2024年最初の6か月間の投資奨励申請がプロジェクト数も投資額も引き続き増加していることを明らかにした。奨励申請件数は 1,412 プロジェクトあり、投資額が 35% 増の 4,583.59 億 バーツとなり、エレクトロニクスおよび電気製品、自動車および部品、農業および食品加工という3 つのターゲット産業が主導した。一方、海外直接投資(FDI)に関してはシンガポールが第1位で、次いで中国、香港となっている。今年後半は、競争力を高めるために地域ハブへの投資を競うロードショー計画を加速し、合わせて生産体制を調整する。
投資委員会長官(BOI)ナリット・テートサティーラサック氏は、 タイへの投資の方向性が良好であり継続的に成長していることを明らかにした。今年上半期(2024年1月~6月)に奨励申請、奨励認可、奨励証書発給のあらゆるステップで投資促進が増加しており、プロジェクト数も投資額も増加している。2024年上半期の投資奨励申請件数が1,412プロジェクトで前年同期比64%増加し、投資総額が 4,583.59 億バーツとなり35% 増となっている。タイの可能性および良好なファンダメンタルズ、政府の政策に対する投資家の信頼、BOIと政府機関の投資奨励措置の結果を反映している。
投資金額が最も高い上位 5 つのターゲット産業はエレクトロニクスおよび電気製品が 1,397.25億バーツ、次いで自動車および部品が398.83億バーツ、農業および食品加工が331.21億バーツ、石油化学および化学品が253.44 億バーツ、デジタルが 251.12 億バーツとなっている。経済の再構築にとって重要な未来産業への投資は次の通りである。
- ウェーハ製造、電子設計、半導体および集積回路の組立およびテスト先端エレクトロニクス製造事業は10プロジェクトであり、投資総額が195.43億バーツとなっている。
- 電子回路基板(Printed Circuit Board:PCB)の製造事業は 31プロジェクトであり、投資総額が 397.32億バーツとなっている。
- スマート電子機器およびスマート家電の製造事業は8プロジェクトであり、投資総額が381.82億バーツとなっている。
- データセンター事業は3プロジェクトであり、投資総額が242.89億バーツとなっている。
- 機械、装置、自動化の製造事業は 69プロジェクトであり、投資総額が102.71億バーツとなっている。
- 再生可能エネルギーまたは廃棄物からの発電事業は 255プロジェクトであり、投資総額が724.75億バーツとなっている。
また、ナレッジベースの事業および国際貿易や投資の支援事業なので、投資額がそれほど高くないが、国の競争力の発展に大きな影響を与える事業もある。 例えば、
- ソフトウェア、デジタルサービス提供のためのプラットフォーム、またはデジタルコンテンツの開発事業は59プロジェクトであり、投資総額は8.12億バーツとなっている。
- 研究開発、バイオテクノロジー開発、エンジニアリングデザイン、理科学実験サービス、計測器校正サービスという科学技術開発の支援事業は13プロジェクトであり、総投資額は8.05億バーツとなっている。
- スマートファーミング事業は 3プロジェクトであり、投資総額は5,600万バーツとなっている。
- スマートシステムを活用した物流センター事業は 11 プロジェクトであり、投資総額は 23.27 億バーツとなっている。
- 国際ビジネスセンター(IBC)事業は 19プロジェクトであり、投資総額が2.74億バーツとなっている。
- 国際原材料・部品・構成品調達事務所(IPO)事業は16プロジェクトであり、投資総額は7.28億バーツとなっている。
海外直接投資(FDI)は継続的に拡大している。 奨励申請プロジェクトは 889 プロジェクトあり83% 増となり、投資総額が3,257.36 億 バーツで16% 増とっている。奨励申請額が最も高い上位 5 か国/経済開発区は、シンガポールが 909.96 億バーツ、中国が728.73億バーツ、香港が395.53億バーツ、日本が299.87億バーツ、台湾が294.53億バーツとなっている。これは、エレクトロニクス業界で中国の親会社を持つシンガポール企業による多額の投資の結果だ。シンガポールの投資金額が高くなっているのは、中国系企業が親会社であるシンガポール企業によるエレクトロニクス産業への大規模投資によるものである。
地域的には投資金額の大部分は東部地方で 2,115.69億バーツ、次いで中部地方が1,793.32億バーツ、北部地方が329.72億バーツ、南部地方が156.94億バーツ、北東部地方が140.87億バーツ、西部地方は47.05億バーツとなっている。
投資奨励の認可に関しては、 今年上半期に 1,451プロジェクトあり前年同期比 37% 増となり、投資総額が4,762.76 億バーツで27% 増となっている。これらの投資奨励が認可されたプロジェクトにより、国の輸出金額が年間1兆3000億バーツ以上増加すると予想されている。そのほとんどはエレクトロニクスおよび電気製品産業である。また、国内原材料の使用が年間 4,900 億バーツ以上増加し、10万人以上のタイ人の雇用が創出されると予想されている。
実際の投資に最も近いステップである奨励証書発給に関しても大幅に増加し、 1,332 プロジェクトあり前年同期比 56% 増となり、投資総額が 4,387.33 億バーツで87% 増となっている。今後 1 ~ 2 年間の実際の投資につながり、次期のタイ経済の回復に良い影響を与える。
そしてナリット氏はこう付け加えた。「今年下半期には世界の投資傾向は依然として投資を動かし、世界的にサプライチェーンを調整する傾向がある。したがって、タイにとって今は投資を競う重要な時期である。 BOI はタイの競争力を高めるために、ターゲットグループに積極的に浸透することに焦点を当て、生産体制の調整のための投資を促進する。次の 3 つの重要な分野の実施を重視する。
(1) 新たな産業基盤づくり。 例えば、各種電気自動車および主要部品、セルレベルのバッテリー、半導体および先端エレクトロニクス、ワールドクラスのデータセンター、バイオテクノロジー産業などである。タイを地域の地域統括本部(Regional Headquarters)の拠点および高度なスキルを持つ人材 (Talent) の中心地として促進することが含まれる。今後 2 か月間、BOIは継続的に投資を呼び込むために、韓国、中国、インド、シンガポールでロードショーや他の積極的な活動の開催を計画している。
(2) 世界の産業と国内のサプライチェーンを結びつけること。 国内部品の使用を拡大し、タイ事業者にビジネスチャンスを創出し、技術移転と人材育成における協力を生み出すために、Subcon Thailand、THECA、ソーシングデイ、ビジネスマッチングなどの様々な活動を開催する。
(3) 近代的な機械入れ替え、事業への自動化またはデジタル技術の導入、省エネ機器や代替エネルギーの使用への切り替え、または国際的な認証を目指した高度化を促進することにより、Smart and Sustainable Industry への産業高度化措置を通じて、 事業者、特にタイの中小企業の生産効率を向上させること。これは事業者が意識し関心を持ち、継続的に奨励を申請している措置である。 2024 年上半期にはこの措置に基づく申請件数が 192 プロジェクトあり35% 増となり、投資総額が 199.66 億バーツで 160% 増となっている。」