BOIは、巨大テクノロジー企業がデータセンターおよびクラウドサービスへの投資計画を加速していることを明らかにし、5つの強みを強調しタイを地域をつなぐ重要な戦略的拠点として促進しASEANのデジタル経済ハブに前進させ、データセンターおよびクラウドサービス事業への投資促進が37プロジェクト、投資額が980億バーツ以上で、拡大傾向にあるデジタルおよび AIサービス事業を支援する準備が整っていることを明らかにしている。

投資委員会（BOI）長官のナリット・テートサティーラサック氏は、地域で大きく成長している人工知能やAIや各種デジタルサービスの拡大を支援するため、タイはデータセンターおよびクラウドサービスへの戦略的な投資対象国の一つであることを明らかにした。その理由は次の少なくとも 5 つのメリットがあるからである。

(1) ASEAN各国にアクセスできる中心地に立地している。特に、総人口が 2.5 億人を超える CLMVT 諸国のConnecting Hubとなる可能性を秘めている。

(2) 安定性およびセキュリティ性が高く、自然災害のリスクが低い。 データセンター事業は膨大な量の重要な顧客情報を管理する必要があるため、高い安定性が求められるビジネスである。この点ではタイに多くの国のように地震や台風や大災害がないので、有利である。また、タイは中立国でありかつ国際舞台で交戦国ではない。さらに、タイ個人情報保護法（PDPA）やサイバーセキュリティ法（Cyber Security Act）などの国際基準を満たすデジタル法規制があり、投資家との信頼関係を築くことにつながる。

(3) インフラの質が高い。電気システム全体が安定しており、クリーンエネルギーを提供する可能性がある。それはデータセンターへの投資にとって重要な条件である。また、世界トップ 10 にランクされる高速インターネットネットワークがあり、ASEAN 地域のほとんどをカバーする 5G ネットワークもあり、大容量データの送信をサポートできる。

(4) 国内市場が急速に拡大している。企業のデジタル時代への高度化（Digital Transformation）により求められ、政府のCloud First Policy 政策が策定され、インターネット利用率が人口の 88 ％に達しており、Social Mediaユーザー数が 70 ％を超えており、人口がPromptPay、Mobile Banking、e-Paymentなどのデジタルシステムを通じて金融取引を行い、最近の景気刺激策の下で権利を受け取るためのアプリケーションを使用するスキルを持っている。

(5) BOIによる誘致のための恩典。機械および装置の輸入税の免除、法人所得税の免除、被奨励事業を行うための土地の所有権の許可、ビザおよび労働許可証の円滑化、技術者・ 専門家の法人所得税の減税、情報サービスおよびプロジェクト立地を見つける支援、様々な機関からの許可書申請の調整支援、新課税体制による影響の軽減措置（Global Minimum Tax）などである。それは全て世界のテクノロジー企業が重視している要素である。

現在、BOI により投資奨励が認可されたデータセンターおよびクラウド サービスのプロジェクトは 37 プロジェクトあり、投資額が 985 億 3,900 万バーツとなっており、そのほとんどがバンコク、サムットプラカン県、チョンブリー県、そしてラヨーン県に立地している。タイにデータセンター設立に投資している世界トップクラスの企業が数多くある。例えば、Amazon Web Service (AWS) は2037 年までにタイにデータセンターに 2,000 億バーツ以上を投資すると発表し、第 1 フェーズで既に 3 か所のデータセンターの構築に投資しており、投資額が 250 億バーツを超えている。それに、オーストラリアのNextDCプロジェクトは137億バーツ、シンガポールのSTT GDCプロジェクトは45億バーツ、シンガポールのEvolution Data Centerは40億バーツ、米国のSupernap（Switch）プロジェクトは30億バーツ、日本の Telehouse は27 億バーツ、香港の One Asia は20 億バーツを投資している。また、世界のサービスプロバイダーである Google および Microsoft もタイでのデータセンターへの投資計画を発表し、BOIおよび首相チームとともに詳細を検討している。

クラウドサービス提供事業（Cloud Service）においては、BOI が投資奨励している大手企業であるAlibaba Cloudが40億バーツ以上、Huawei Technologiesが30億バーツ以上投資している。海外の大手企業のほか、True Internet Data Center Company Limited、Internet Thailand Public Company LimitedおよびGulf、Singtel、そしてAIS の合弁会社である GSA Data Center Company Limitedなど、データセンターおよびクラウドサービス事業に投資している可能性の高いタイの事業者も数多くいる。

データセンターおよびクラウドサービス事業に加えて、BOI はデジタル産業への投資を総合的に促進している。ソフトウェア、デジタルサービス提供のためのプラットフォーム、またはデジタルコンテンツの開発事業、イノベーション・パークやメーカー・スペース (Maker Space）またはファブリケーション・ラボラトリー (Fabrication Laboratory) などのデジタルエコシステム支援事業、およびスマートシティ (Smart City) 地域およびシステム開発事業である。今までは奨励基準を改定してきて、現代の技術に合わせ、急速に変化するデジタルビジネスへの投資を円滑化している。

「データセンターおよびクラウドサービス事業は、現代世界では重要なインフラだとみなされている。AWS、Google、Microsoftなどのハイパースケールのサービスプロバイダーや多くの国からの一流テクノロジー企業がタイに投資するという決定をしたのは、タイが環境、インフラ、人材の質、政府の支援措置の面でデジタルビジネスを行うのに適した国であることを反映している。これらの投資プロジェクトにより、通信、公共事業、コンサルティング事業、およびその他関連事業の分野で直接的および間接的に高度なスキルを備えた雇用を創出することになる。また、タイの事業者が高品質のクラウドサービスおよびその他のデジタルテクノロジーにより簡単にアクセスできる機会を与え、デジタルトランスフォーメーションプロセスを加速化し、大容量データの送受信に高速性が求められるビジネス開発を支援し、タイを地域のデジタル経済ハブとして前進させることにもなる。」とナリット氏は述べた。