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BOIの9つの新しい措置を開始し、タイの投資を新しい経済へと誘導し 持続可能性実現のための環境と社会に配慮する。

投資委員会(BOI) は仏暦2565年(2022 年) 11 月 3 日に決議し、5カ年投資促進戦略(2023 年~2027 年)の下で仏暦2566年(2023 年) 1 月 3 日から運用開始される新しい投資奨励措置を承認した。タイ経済を「新しい経済」(New Economy)へと再構築し、かつ持続可能性のための環境と社会に配慮するために投資を促進することを目的としている。

5カ年投資促進戦略(2023年~2027年)は、バランスの取れた、包括的で持続可能な成長を目指すために、テクノロジー、イノベーション、クリエーティビティーによって牽引されるタイ経済を新しい経済へと再構築し、競争力を向上させ、環境課題と社会課題に配慮することを目的としている。以下のように7つの将来のマイルストーンを指定する。

1) タイが得意とする既存産業の高度化およびタイの新たな有望産業基盤の構築による産業の再構築、並びにサプライチェーンの強化(Supply Chain)

2) スマート化・サステナブル化へ向け産業の転換を加速する。

3) タイを国際ビジネスハブ・貿易投資の域内玄関口として促進する。

4) 中小企業(SMEs)とスタートアップ(Startup)を強化、世界へ結びつける。

5) 地域のポテンシャルに応じた投資を奨励し、包括的な成長を実現する。

6) コミュニティと社会の開発を奨励する。

7) 競争力のある事業者に海外投資を促進し、ビジネスチャンスを拡大する。

9つの新しい措置の恩典の把握

当該投資促進戦略に基づきBOI は、目標に向けて投資促進戦略を具体化するために 7 つのマイルストーンに紐づけて9つの新しい投資奨励措置を講じた。

1) 国家の発展にとって重要な産業への投資奨励措置は、基準および投資奨励対象業種を決定し、奨励対象業種を7分類から10分類に改定し、かつ電気自動車や水素などの新エネルギーに関連する事業、フューチャーフード事業、宇宙産業に関連する事業などの新たな戦略に合わせて事業を追加する措置である。

その事業は A グループ(3 - 13年間の法人所得税免除)、B グループ(法人所得税恩典の対象外)、および 新しく追加されたA1+グループ(高度技術を使用する上流産業、教育機関・研究機関との技術移転による対象技術の開発)に分けられ、基礎的恩典が付与される。

2) 競争力向上措置はメリットによる追加恩典(Merit - based)の措置(旧)から改定し、研究開発、設計、人材開発、現地サプライヤーの開発など、産業界全体の競争力を向上させる活動への投資もしくは支出に対し追加恩典を決定した、投資または支出の 200%を上限として法人所得税免除金額を付与する。

3) 既存の生産拠点の継続および拡大措置(Retention & Expansion Program)は、タイに投資している大手企業が継続的にタイを生産拠点としタイへの投資を拡大するよう促進する新しい措置である。既に奨励を受けている者であり、過去15年間(2008年~2022年) の投資プロジェクトを3プロジェクト以上有し、かつ投資金額が 100億バーツ以上であるという条件がある

仏暦2566年(2023年)までに5億バーツ以上の投資拡張を申請する場合、業種に応じて、法人所得税免除期間を3 年追加する、または5 年間にわたり法人所得税を 50%減税する。

4) 総合的な事業拠点移転への促進措置(Relocation Program)は、製造工場、地域統括会社、研究開発センターを含むタイへ総合的な事業拠点の移転が行われるよう促進するために追加恩典を決定した新しい措置である。製造工場、地域統括会社、そして研究開発センターの3 つの部分を移転した場合、製造事業に対しさらに法人所得税免除期間を5 年追加する。尚、仏暦2566年(2023年)までに申請書を提出しなければならない。

5) 景気回復期間における投資促進措置は、投資促進措置(旧)から改定し、2023 年から 2024 年までの間に大規模プロジェクトに対し実際の投資を促進するために追加恩典を決定した。12 か月以内に 10 億バーツ以上投資する場合、5 年間にわたり法人所得税を 50%減税する。

6) 産業高度化措置(Smart and Sustainable Industry) は、事業者に機械入れ替えおよび自動化・ロボットの使用、デジタル技術導入、省エネ・代替エネルギー使用、国際的持続可能性基準向上により高度化するよう促進するために、効率向上措置(旧)から改定した。既に操業している事業による収入を対象として、投資金額の 100%もしくは 50%を上限とし法人所得税を3年間免除する。

7) 中小企業(SMEs)向け投資奨励措置は、中小企業(SMEs)向け投資奨励措置(旧)から改定し、SMEsの事業者にとって有利に機能するよう条件を緩和し追加恩典を決定した。旧措置と同じ基準を維持するが、SMEsの資格をより明確に指定した。業種によって法人所得税を3 - 8年間免除し、法人所得税の免除上限を投資金額の 200% まで引き上げ、その他の措置に基づく恩典を追加する。

8) 対象地域における投資奨励措置は、対象地域における投資奨励措置(旧)から改定し、北部、北東部、中西部、南部の4地域で特別経済回廊地域を追加した。人材開発や研究開発に投資し、かつA1+ グループの対象事業である場合、追加で法人所得税を 2 年間免除する。既に 3 - 8 年間の法人所得税免除恩典を受けている事業は、さらに3 年間にわたり法人所得税を50%減税する。

9) 地域および社会開発のための投資奨励措置は、地域経済(ローカルエコノミー)の投資奨励措置(旧)から改定し、地域への投資額を増やし、さらに投資を呼び込むために恩典を追加した。BOIの被奨励者か否かにかかわらず、投資奨励対象業種に該当する事業であれば、この措置に基づく恩典申請ができる。

この措置に基づく恩典を取得する者は、協同組合、コミュニティ企業(Community Enterprises)、社会的企業(Social Enterprise)、地方自治体、またはその他政府の機関に対し、農業・水資源システム開発、地域製品・地域観光、および環境・教育・公衆衛生のために、地域プロジェクトへの支援に500 万バーツ以上投資し、各現地組織ごとに 50 万バーツ以上支援しなければならない。支援金の 200%を上限とし、法人所得税を免除する。

上記9 つの新しい投資奨励措置は、タイ経済を新しい経済に向けて牽引するための投資目標を満たすとともに、既存・新規の事業者、新しい経済を牽引する重要な役割を担う中小企業やスタートアップ企業を対象とし幅広く投資を促進し、将来の持続可能な成長に向けた支援を行うために事業者が社会と環境に配慮するよう推進することがわかる。


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