タイ政府は電気自動車（EV）の国内市場の成長を加速させ、充電ステーションを中心とした関連インフラの早期拡充を支援する方針を打ち出しているが、タイ投資委員会（BOI）は、本日（4月7日）同分野への投資恩典と条件の改定を承認した。
40台以上の充電器（うち25％はDCタイプ）を備えた充電ステーションへの投資に 対する5年間の法人所得税免除に加え、今回の改定措置により小規模な充電 ステーションにも3年間の税制優遇措置が適用されるようになった、とBOI長官であるDuangjai Asawachintachitは記者団に語った。
また、投資家が他の機関から追加的な恩典を受けることを禁止する条件と、ISO認証の取得という２つ要件も廃止された。充電器が必ずしも典型的な充電ステーションではなく、ホテルやコンドミニアムなどの他の施設に設置される可能性を考慮すると、 この二つの要件はもはや無用であり、充電設備の急速な拡大を確保するためには、 複数の支援策を組み合わせることが必要な場合もある。
充電ステーションの投資家は、関連する安全規制を遵守し、EVスマート充電システムの導入計画か、事業者とバッテリー式電気自動車（BEV）ユーザー双方にとって効率的な管理を実現するための中心的メカニズムとして開発されるEV充電ネットワーク オペレータープラットフォームへの接続を提出することだけが要件となる。
「我々はEV関連の投資家の懸念に耳を傾け、めまぐるしく変化するビジネス環境に 対応した恩典を確保するため施策を見直した。これにより、投資家、特に中小企業や新興企業はBOIの恩典をより多く利用でき、コストをより効果的に管理できるように なる」とプラユット・チャンオチャ首相が議長を務める理事会の後で　Duangjai氏は 語った。
BOIはすでに完成車と重要部品の両方の製造を促進する措置を講じおり、EVセクターのサプライチェーンに包括的な恩典を提供している。
第1四半期の投資申請額は1,107億バーツ
Duangjai氏は理事会に対し、2022年第1四半期における外国および国内の投資促進申請総額が申請件数の若干の増加により多少軽減されたが、世界的な地政学的・経済的 課題の影響により、わずかに減少したことを報告した。
1月から3月におけるBOIの投資促進申請額は1,107億バーツ（34億米ドル）で、前年同期比6％減となった。申請件数は378件で前年同期比1％増となった。
この間、FDIの投資額は29％増の773億バーツとなり、総投資額の70％を占めた。同四半期の国・地域別の上位３つは、台湾、日本、中国であった。
対象産業では、自動車・部品産業が416億バーツと期間中の申請額の約53％を占め トップとなり、次いで農業・食品加工が120億バーツ、電子機器が103億バーツ であった。12の対象業種の合計額は782億バーツとなり、全体の70.6％を占めた。
地域別では、ハイテクと製造業製造の拠点である東部経済回廊（EEC）が、604億 バーツと最多であった。
また、特殊繊維、データセンター、多層セラミックチップコンデンサ、光ファイバー通信機器、ハードディスクドライブ、多層プリント基板と多層PCB用の銅箔等の先端技術産業/サービスにおける興味深い大規模投資プロジェクトがこの第1四半期にBOI によって承認されたことも注目に値する、と　Duangjai氏は述べている。
BCGスタートアップ投資デー
Duangjai氏はまた、2022年3月24日にBOIとNational Innovation Agencyが共同で開催 した「BCGスタートアップ投資デー」の成功について、記者団に語った。このイベントには、対面およびにオンライン形式で1,000人以上の参加者が集まった。このイベントは「Bio-Circular-Green Economy」というコンセプトのもと、国家の生物多様性能力を強化し、医療、農業、食品、エネルギー分野の新興企業が世界的なインキュベーター、ベンチャーキャピタル、企業ベンチャーの投資家と会う機会を創出すること事を目的 としたものである。