タイ投資委員会(BOI)は2月3日に、2021年の外国直接投資および国内の投資申請額合計が6,427億バーツ(約195億米ドル)に達し、主にハイテク分野への外国直接投資(FDI)やバイオサーキュラーグリーン(BCG)産業へのプロジェクトへの金額・件数の増加、発電分野への継続的な投資が牽引し前年比59%増加したと発表した。
このデータはプラユット・チャンオチャ首相が議長を務めるBOI会議後に開催された記者会見で発表された。また本会議では、バイオエコノミーを推進し、地域のバイオハブとしてのタイの地位を強化する戦略を促進するための追加優遇措置も承認された。
BOI長官のDuangjai Asawachintachit氏は記者団に対し「BCG事業への投資申請は、タイ経済およびタイで活動する企業がアスターコロナ後の消費者需要やサプライチェーンの変化に対応できるように措置した優遇策の活用により、継続的に増加している。」。「FDIに関しては、スマートエレクトロニクス、特殊化学品、バイオプラスチック、医療などのターゲット産業への外国直接投資が絶えず増加している。」と述べた。
電気製品と電子機器は需要の急増を反映して1,045億バーツと再び最多の申請となり、次いで医療関連が622億バーツ、石油化学と化学薬品が484億バーツ、農業と食品加工は477億バーツ、そして自動車と部品の246億バーツとなった。12のターゲット産業への投資申請合計金額は3,405億バーツで、全体の53%を占めた。最も成長したのはデジタル産業で、申請額は前年の16億1,000万バーツから2021年は140億バーツと9倍近く急増した。
バイオテクノロジーや環境にやさしい製造業などのBCGに分類される事業活動への投資額は、2020年の684億バーツから2倍以上の1,524億バーツに増加し、バイオプラスチック製造や農業廃棄物のリサイクルなど持続可能な活動への投資家意識が高まっていることが確認された。
発電分野では、発電インフラ拡大や再生可能エネルギー、クリーンな天然ガスへの移行に伴う投資が大きな割合を占めた。
一方、FDIは783件のプロジェクト申請に対して4,553億バーツと全体の申請額の71%を占め、2020年の1,693億バーツ比3倍近い申請額の増加となった。
FDIの国別では、日本が178件807億バーツで再び最多となり、次いで中国が112件386億バーツ、シンガポールが96件297億バーツと続いた。FDI申請の上位3分野は電気および電子、石油化学およびに化学、そして医療であった。
地域別では、チョンブリ、チャチューンサオ、ラヨーンからなるタイ一大工業地帯の東部経済回廊(EEC)の申請額が2020年比34%増の2,205億バーツと最多であった。
バイオハブの促進のための追加措置
本日承認されたバイオエコノミー推進を目的とした追加措置として、BOI投資奨励業種に2つの新たな業種「農産物のデジタル取引プラットフォーム」およびに「農産食品工業団地/地域」を追加した。
デジタル取引プラットフォームの投資奨励は「農場から工場へ」というコンセプトを促進することを目的としており、高品質の原材料を常に業界へ供給し、農家に関連する最新技術を利用できるようにするなど、農業部門の生産性向上を目的としている。このモデルによって農業や食品・非食品業界におけるサプライチェーンがより強固なものになり、世界有数の食品供給国としてのタイの競争力が更に強化されることが期待される。
バイオ関連分野の既存企業は多いものの集積されていない場合があり、同一サプライチェーンにある企業間連携強化が望まれる。農業・食品産業特区は、食品加工や農産物、副産物、廃棄物を主原料とする事業、関連する科学技術サービス(試験所など)や研修を提供する事業など、農業や食品のサプライチェーンに関与する事業の集積化を目的とする。
いずれも、5年間の税制優遇措置の対象となる。
また、天然素材から抽出したエキスやそれらを使用した製品製造に携わる企業への恩典や条件の改善も承認された。先進技術の導入や製品品質の向上、公的資金による研究の商業化を促進する観点から、製品の対象範囲が拡大され恩典も改善された。
詳細については、
タイ投資委員会までお問い合わせください
電話. 国際電話66 (0) 2553 8111
ウエブサイト: www.boi.go.th
YouTube:アジアを考え、タイに投資する