長期間にわたって新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行が継続している等により、世界の状況は常に変化している。同時に産業およびサービス業もインダストリー4.0の時代に入るモードを調整することにより、Disruption(破壊)の傾向への適応を加速しなければならない。製造をより速く柔軟に行いかつ製品をより効率的に生産できるために産業における技術を効率化する。サービス面ではデジタル時代の消費者に対応するために様々なイノベーションを導入する。
投資委員会(BOI)は20カ年タイ工業4.0開発戦略(2017年~2036年)に従って、タイの産業をインダストリー4.0に向上させることを加速する必要性を認識し、インダストリー4.0への向上のための投資奨励措置を開始する。尚、自動化およびデバイス間の接続(Automation and Network Technology)、データ分析およびスマートオペレーション(Smart Operation)、または生産プロセスと企業管理でのデジタル技術使用(Digital Technology in Production & Enterprise Processes)など、様々な分野で指定された基準に従ってインダストリー4.0への向上のための機械入れ替えへの投資を事業者に推進する。
当該措置は2つの場合に分けられ、一つ目は被奨励事業か否かにかかわらず既に操業している企業への推進の場合である。生産効率向上措置の下でインダストリー4.0への向上という小措置として追加し、インダストリー4.0への向上のための投資金額の100%を上限とする3年間にわたる法人所得税の免除、機械の輸入税免除などの恩典を付与する。
二つ目は新規投資の企業への推進の場合であり、Bグループ向けの追加恩典付与措置(法人所得税の免除恩典の対象外とする事業)となる。投資金額(インダストリー4.0への向上における土地代および運転資金を除く)の100%を上限とし法人所得税を3年間免除するなどの恩典を付与する。
どちらの場合もBOIは製造業およびサービス業の両方を奨励するが、投資金額(土地代および運転資金を除く)が100万バーツを超える、そして中小企業の場合は50万バーツを超えること。また国家科学技術開発局(NSTDA)が同意した投資計画を提案すること。仏暦 2565年(2022年)の最終営業日までに奨励申請書を申請し、奨励証書発給日より3年以内に実行を完了させること。
しかしながら、タイのインダストリー4.0の事業者はほとんどいないが、最近タイの産業は自動化システムを使用する傾向が著しく高まってきた。2019年~2021年9月の間に、機械入れ替えへの生産効率向上措置に基づく投資奨励申請は130プロジェクトあり、総投資金額が225.98億バーツとなる。また最近ではBOIの被奨励企業であるWestern Digitalが、世界経済フォーラム(WEF)からインテリジェントファクトリーの認定を受け、第4次産業革命 (4th Industrial Revolution)グループにおいて工場で先端技術を使用したことで国際的な賞を受賞した。タイ国内で初めて認定された工場となる。未来産業に参入する準備ができている事業者としての可能性を反映している。
尚、タイは、東部経済回廊(EEC)プロジェクトにおいて2024年までにインダストリー4.0に向上するために地域内の約10,000ヵ所の工場を向上させることを目指すなど、インダストリー4.0に向けて産業とサービスを推進するという目標を設定した。
このインダストリー4.0への向上のための投資奨励措置は、タイの産業およびサービスをインダストリー4.0に一層推進する重要なメカニズムの一つとなる。
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