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2024年の投資額が1兆バーツを突破し、過去最高を記録 タイがゲームチェンジし、地域の先端技術ハブへ


投資委員会(BOI)は、2024年(仏暦2567年)の投資奨励申請額が1兆1300億バーツを超え、過去10年間で最高額となったと発表しました。申請件数は3,100件以上に達し、BOI設立以来最多となりました。これにより、貿易摩擦の影響の中、タイが主要な投資拠点であることが改めて証明され、中国や米国などの大国がタイへの投資を加速させています。また、2025年(仏暦2568年)も投資移転のトレンドは引き続き拡大すると予測されています。BOIは関係機関と連携し、さらなる投資誘致に取り組んでおり、タイを、各勢力を結ぶ「経済の架け橋」として位置付けています。これにより、タイを地域の先端技術産業の拠点へと押し上げる方針です。

ナリット・タートサティラサック投資委員会(BOI)事務局長は、「2024年(仏暦2567年)はまさに投資の黄金期であり、タイにとって新たな産業基盤を築き、長期的な経済の再構築を促す重要な機会となった」と述べました。2024年の投資奨励申請は、件数・投資額ともに大幅に増加しました。申請件数は3,137件となり、前年と比較して40%増加し、BOI設立以来最多となりました。また、投資額は1兆1385億800万バーツに達し、前年比35%増となり、過去10年間で最高額を記録しました。この結果は、タイの投資環境に対する投資家の強い信頼を示しており、同国が産業基盤、産業用地、安定した電力供給やクリーンエネルギーの活用、優れた人材、総合的なサプライチェーン、適切な事業コスト、政府の支援策、BOIの各種優遇措置やサービスなど、投資に適した条件を備えていることが証明されたといえます。

投資額が最も大きかった5つの重点産業は以下のとおりです

(1) デジタル産業(投資額:2433億800万バーツ、150件のプロジェクト)
主にデータセンターおよびクラウドサービス事業への投資が中心で、米国、中国、香港、日本、インド、オーストラリア、タイの大手企業が参入しています。これらの投資総額は2400億バーツを超えています。さらに、ソフトウェア開発、デジタルサービスを提供するためのプラットフォーム開発、デジタルコンテンツ制作などの事業も含まれています。

(2) 電気・電子機器産業(投資額:2317億1000万バーツ、407件のプロジェクト)
主要な投資対象は、プリント基板(PCB)およびその原材料の製造で、83件のプロジェクトがあり、総投資額は864億2600万バーツに達しています。さらに、半導体チップ(ウェハー)の製造、IC設計、半導体および集積回路の組立・テスト、スマートエレクトロニクス機器およびスマート家電の製造などのプロジェクトも含まれています。

(3) 自動車・部品産業(投資額:1023億6600万バーツ、309件のプロジェクト)
日本、中国、欧州の自動車メーカーによる電気自動車(EV)および内燃機関 (ICE)車の生産プロジェクトが含まれています。また、自動車用タイヤ、航空機用タイヤ、車載スマートシステム、および各種自動車部品の製造プロジェクトも展開されています。

(4) 農業・食品加工産業(投資額:876億4600万バーツ、329件のプロジェクト)
主に食品、飲料、食品添加物の製造、動物飼料の製造、植物油・動物油脂の製造、農産物や農業副産物を活用した包装資材の製造、家畜の繁殖・飼育への投資が含まれています。

(5) 石油化学・化学産業(投資額:490億6100万バーツ、235件のプロジェクト)
主に化学製品、特殊ポリマー、産業用プラスチック、多層包装材の製造が含まれています。


また、以下のように、投資額が大きく、経済の再構築に重要な事業も含まれています。

- 再生可能エネルギーおよび廃棄物による発電事業(投資額:1144億8400万バーツ、515件のプロジェクト)

- 機械設備、自動化システム、高精度機械の製造事業(投資額:391億6200万バーツ、174件のプロジェクト)

- 医療機器の製造および医療サービス事業(投資額:182億3700万バーツ、92件のプロジェクト)

産業高度化措置(Smart and Sustainable Industry)は、既存の事業者の生産効率向上に向けた支援策として重要な施策の一つです。2024年(仏暦2567年)には、この措置による投資奨励申請は407件、総投資額は355億6000万バーツに達し、前年比30%増加しました。主な投資分野は省エネルギーおよび再生可能エネルギーの利用であり、次いで機械の更新および生産ラインへの自動化システムの導入が多くの割合を占めています。

外国直接投資(FDI)は引き続き拡大しており、投資奨励申請は2,050件となり、前年比51%増となりました。また、総投資額は8321億1400万バーツで、前年比25%増を記録しました。投資額が最も多かった国・経済圏の上位5位は以下のとおりです。(1) シンガポール(投資額:3575億4000万バーツ、305件のプロジェクト)、(2) 中国(投資額:1746億3800万バーツ、810件のプロジェクト)、(3) 香港(投資額:822億6600万バーツ、177件のプロジェクト)、(4) 台湾(投資額:499億6700万バーツ、126件のプロジェクト)、(5) 日本(投資額:491億4800万バーツ、271件のプロジェクト)また、アメリカの投資額は、257億3900万バーツ、66件のプロジェクトでした。ただし、シンガポール経由の投資を含めると700億バーツを超えます。なお、シンガポールの投資額が大幅に増加したのは、中国およびアメリカ資本の企業がシンガポールの会社経由で大規模な投資を行ったことによります。

地域別に見ると、投資額の大部分は東部地域に集中し、5730億6600万バーツとなっています。次いで、中部地域:3922億6700万バーツ、東北地域:715億9100万バーツ、北部地域:425億2500万バーツ、南部地域:372億1500万バーツ、西部地域:218億4300万バーツの順となっています。

投資奨励証書の発行状況 BOIがプロジェクトを承認した後、企業は、財務書類や会社設立に関する書類を提出し、投資奨励証書の発行を申請する必要があります。この手続は、実際の投資に最も近い段階と位置付けられています。2024年(仏暦2567年)には、投資奨励証書の発行件数が2,678件となり、前年比47%増を記録しました。投資額は8464億6100万バーツに達し、前年比72%増となりました。これは、今後1~2年の間に実際の投資資金が大規模に流入し、経済活動が活発になることを示す好材料となっています。

「貿易摩擦や世界の地政学的課題が続く中で、タイは中立性と信頼性を兼ねそろえた投資受け入れ先としての強みを示しました。中国と米国の両大国はタイへの投資を継続的に増やしており、日本、香港、台湾、欧州の主要投資国・地域も引き続き投資を拡大しています。特に、先端技術を活用する産業、例えば半導体・高度電子機器、スマート家電、AIおよび高度デジタル技術に対応するデータセンター・クラウドサービス、電気自動車と主要部品、バイオテクノロジー産業などへの投資が進んでいます。これらの産業は、タイの競争力強化と経済構造の転換において重要な役割を果たし、既存の産業基盤の強化、先端技術の活用による付加価値創出、雇用創出、そしてタイ企業の成長機会の拡大につながるでしょう。2024年(仏暦2567年)に投資奨励を受けたプロジェクトにより、タイ人の雇用が21万人以上増加し、国内で使用される原材料・部品の年間総額は1兆バーツを超え、輸出額も年間2兆6000億バーツ以上増加すると見込まれています。」とナリット氏は述べました。

2025年の投資見通し

ナリット氏はさらに、「2025年(仏暦2568年)の投資動向は2024年(仏暦2567年)の成長を踏まえ、引き続き拡大が見込まれます。また、タイにとっては重点産業への投資を呼び込む絶好の機会となるでしょう。この投資拡大を支える主な要因として、地政学的リスクの高まりや貿易摩擦・技術規制の激化が挙げられます。これらの影響により、投資家はリスクを軽減するために生産拠点の移転を加速させると予想されます。タイは、あらゆる面で投資を受け入れる準備と能力を備えており、また各国との良好な関係を維持していることから、各勢力をつなぐ「経済の架け橋」としてサプライチェーンを構築できる立場にあります。このため、投資家はタイを安定性と安全性を兼ね備えた、地域における主要な投資拠点として注目されています」と述べました。

2025年の投資奨励政策の方向性 BOIは2025年(仏暦2568年)、未来産業の基盤構築に向けた投資誘致を推進し、タイを地域の先端技術産業のハブとする方針です。重点産業として、電気自動車および主要部品、バッテリー、半導体・高度電子機器、スマート家電・スマート機器、自動化システム・ロボティクス、データセンター・クラウドサービス、AI技術・高度デジタル技術、バイオテクノロジーの分野が挙げられます。また、タイが強みを持つ産業・サービス分野の成長も支援していきます。対象分野には、農業・食品産業、クリーンエネルギー、医療・ヘルスケア産業、観光産業が含まれます。さらに、国際ビジネスセンター(International Business Center)としての機能強化にも取り組み、地域統括本部(Regional Headquarters)、物流・流通センター、国際的な部品調達・購買センターの設立を促進していきます。

BOIは本来の役割に加え、政府の新産業基盤の構築を推進する重要な役割も担っています。その一環として、国家レベルの以下の2つの委員会に参画し、産業発展の推進に取り組んでいます。その2つの委員会は、国家半導体・先端電子産業政策委員会(半導体委員会)、国家電気自動車政策委員会(EV委員会)です。この2つの委員会では、官民の連携を強化し、両産業の基盤を強固なものにするため、産業発展計画の策定、投資促進策の策定、人材育成の推進、投資環境整備に向けた規制改革、タイ企業のグローバルサプライチェーンへの参入支援といった取り組みを進めています。BOIは、国内部品の使用促進、製造委託の拡大、技術移転、外国企業との合弁事業の奨励を重要視しており、これらを支援するために継続的なイベントを実施しています。主なイベントとして、SUBCON Thailand(サブコン・タイランド)、Sourcing Day(ソーシング・デー)、ビジネスマッチングイベントなどがあり、2023年には9,200件以上のビジネスマッチングが行われ、国内での部品取引額は440億バーツ以上に達すると見込まれています。

今年の投資誘致ロードショー BOIは本年、重点対象国への積極的な投資誘致活動(ロードショー)を継続的に実施する計画です。訪問予定の国・地域には、中国、日本、韓国、インド、中東、米国、欧州が含まれています。この投資誘致ロードショーの目的は、革新的かつ高度な技術を有する新産業の投資を誘致するとともに、タイの主要産業基盤をさらに強化することです。これにより、タイ企業にとって新たなビジネス機会が創出され、タイ経済の長期的な成長を促進することが期待されています。

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