BOIはワールドクラスのイベントを開催する目的地としてのタイの可能性を刺激するために、国際的な音楽、スポーツ、フェスティバル開催への促進を開始することによってタイを観光・電子の中心地に押し上げるとともに、電子の業種を改定し、生産拠点移転の動きを支援し、タイに電子回路基板（PCB）産業クラスターを設立する。

投資委員会（BOI）長官のナリット・テートサティーラサック氏は、パーンプリー・パヒターヌコーンタイ王国副首相兼外務大臣が議長を務めた投資委員会の会議においてタイをワールドクラスのイベント（World Class Events）を開催する目的地および地域の観光の中心地（Tourism Hub）に押し上げるためにパンプリー・ピッタヌコン副首相兼外務大臣が議長を務めるBOI理事会は、「国際的な音楽、スポーツ、フェスティバルの開催事業」への投資促進の開始を承認し、タイでコンサートフェスティバルや様々な国際的なフェスティバルをより簡単に開催できるようにするためにワールドクラスの主催者に対し便宜を図るために、外国人のアーティストやチームのビザや労働許可、一時的に使用するために輸入されその後返送される可能性のある演奏用具の税負担など、大規模イベントの開催に対する障壁を取り除くことによって、観光客の誘致および外国人観光客の消費額増加につながり、政府の目標に基づいて国の経済成長を生み出す事を明らかにした。

国際的な音楽、スポーツ、フェスティバルの開催事業への奨励申請の基準に関しては、開催の投資または支出が1イベントあたり1億バーツ超える大規模イベントであること。イベント開催に使用する機械および設備の輸入税の免除恩典が付与され、BOIが入国管理局および労働省と協力して運営するビザ・ワークパーミット・サービス センター（One Stop Service）を通してイベント開催のために入国する外国人のアーティストとスタッフのビザや労働許可の取得において便宜を図る。

「Ignite Thailand のビジョンに関する政府発表について、世界中から観光客を引き寄せる磁石となるためにタイをワールドクラスのイベント目的地に高めることは重要な目標の 1 つである。今回の国際的な音楽、スポーツ、フェスティバルの開催事業への促進開始は、地域の観光のリーダーおよびエンターテイメントの中心地となるタイの可能性と備えを強化し、国内の参加者や購買力の高い外国人観光客の支出から資金を引き出す。また、タイの他のサービス業、特にホテル、レストラン、地元製品、観光関連サービスのサポートにもなり、共にメリットを得ることができる。」とナリット氏は述べた。

また、会議では、特にエレクトロニクスなどの先端技術を使用する産業に対し世界の地政学的問題の圧力による大規模な生産拠点移転の動きを支援するために、スマートエレクトロニクス、電気自動車、医療機器、自動化機械、デジタルなど様々な産業で使用される電子機器の心臓部である「電子回路基板事業（Printed Circuit Board：PCB）」を改定することにも承認し、PCB サプライチェーンにおける重要な支援事業をカバーするために電子回路基板（PCB）グループを投資奨励対象業種表に追加する。PCB 製造の支援事業とはラミネーション、ドリリング、メッキ、ルーティングなど、PCB製造用の重要な原材料の製造事業とは銅張積層板（CCL）、フレキシブルCCL（FCCL）、プリプレグなど、そしてPCB製造用のその他の原材料および必要資材の製造事業とはドライフィルム、転写フィルム、バックアップボードなどである。機械の輸入税の免除、輸出向け製造用の原材料の輸入税の免除、最長 8 年間法人所得税の免除の恩典が付与されるが、原材料、技術、投資規模の重要性に応じて分類される。

なお、電子回路基板（PCB）は、部品の動作を接続しあらゆる種類の電子製品や電気製品の様々なシステムを制御するために電子部品や半導体デバイス（Chip）を集めた回路基板であり、電子産業で最も重要な製造工程の 1 つと考えられている。以前、PCB産業への投資奨励申請プロジェクトが特に中国、台湾、日本から約40社あり2023年にはその投資総額は1,000億バーツを超た。

「今回の電子回路基板（PCB）グループ事業の改定は、電子産業における世界の大規模投資移転トレンドを支援することを目的としており、タイ人事業者にも外国人起業家にも対応しサプライチェーン全体をカバーするために PCB産業への促進を追加し、タイにおける新たな産業クラスターとしてのPCBクラスター設立につなげる。これにより、電子製造の基盤が強化されタイ事業者のビジネスチャンスが増え共に成長できるようになる。現在、タイはASEAN最大のPCB生産拠点となっており、電子産業の中心であるPCB製造の完全なサプライチェーンを構築するチャンスを掴むことができれば、将来的に世界市場をリードする電子の生産拠点となる可能性が高い。」とナリット氏は述べた。