
BOI(投資委員会)は、タイのデジタル産業におけるポテンシャルと準備が整っていることを強調しました。Googleをはじめとする大手テクノロジー企業が、特にデータセンターおよびクラウドサービス事業に関するタイでの投資計画を次々と発表する中、最新の投資奨励は、合計46件、投資額は1600億バーツを超えます。これにより、タイのデジタルインフラが強化され、人材や事業者の能力が向上され、ASEAN地域におけるデジタル経済の中心地としてタイの地位が一層強化されることが期待されています。
投資委員会(BOI)長官のナリット・テートサティーラサック氏は、Googleがタイにデータセンターおよびクラウドリージョンを設置するため、第1フェーズで10億米ドル(約360億バーツ)の投資を計画していることを発表しました。これは、タイがデジタルビジネスのハブとしてポテンシャルと準備が整っていることを示すものであり、タイが持つ多くの競争優位性を反映しています。具体的には、以下の点が挙げられます。1)高品質なインフラ:高速インターネットネットワーク、5G通信網、安定した電力供給、クリーンエネルギーのポテンシャル、そして国際基準に準拠したデジタル規制、2)国際的な安全性と中立性:タイは、国際舞台において信頼性があり、中立的な立場を維持し、かつASEAN地域の中心に位置しており、特にCLMVT(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイ)諸国の2億5000万人以上の人口を擁する市場に接続できる位置にあること、3)優秀でデジタルスキルを持つ人材が豊富に存在すること、4)国内市場の急成長:企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に伴う需要の増加や、政府のクラウドファースト政策、インターネット普及率の高さ、そして国民がデジタル金融取引に習熟していること、5)魅力的な恩典:技術投資を促進し、ビジネスセクターの効率を向上させるための恩典が提供されています。これには、高度なスキルを持つ人材を国内に引き入れるためのビザや労働許可の取得を容易にする措置も含まれています。これらすべての要因が、急成長するAIやその他のデジタルサービスを支えるため、タイが世界的企業のデータセンターやクラウドサービスへの投資拠点として選ばれる理由となっています。
現在、投資委員会による投資奨励を受けたデータセンターおよびクラウドサービスのプロジェクトは、合計46件で、投資総額は1679億8900万バーツに達しています。 これらのプロジェクトの多くは、バンコク、サムットプラカーン、チョンブリー、ラヨーンに位置しています。Googleが投資計画を発表し、投資委員会に申請を行ったほか、すでに多くの世界的な大手企業がタイでデータセンターの設立に投資しています。例えば、Amazon Web Services(AWS)は、2037年(仏暦2580年)までにタイに2000億バーツ以上を投資する計画を発表しており、フェーズ1では、250億バーツを投資して3か所のデータセンターを建設しています。さらに、オーストラリアのNextDCは137億バーツ、インドのCtrlSは50億バーツ、シンガポールのSTT GDCは45億バーツ、同じくシンガポールのEvolution Data Centerは40億バーツ、米国のSUPERNAP(Switch)は30億バーツ、日本のTELEHOUSEは27億バーツ、そして香港のOne Asiaは20億バーツをそれぞれタイのデータセンター建設に投資しています。
クラウドサービス事業においても、投資委員会(BOI)による投資奨励を受けた主要企業があります。例えば、Alibaba Cloudは40億バーツ以上、Huawei Technologiesは30億バーツ以上を投資しています。海外の大手企業だけでなく、タイの有力企業もデータセンターおよびクラウドサービス事業に積極的に投資しています。例として、True Internet Data Center(トゥルー・インターネット・データセンター)、インターネット・タイランド、GSA(GULF、Singtel、AISの合弁企業)があります。
データセンターやクラウドサービスに加え、BOIは、デジタル産業全般への投資を包括的に奨励しています。これにはソフトウェア開発、デジタルサービス提供プラットフォーム、デジタルコンテンツ、デジタルエコシステムを支援する事業、たとえば、イノベーションパーク、メーカースペース、ファブリケーションラボ、スマートシステムのエリアおよびシステムの開発事業などが含まれます。
「データセンターとクラウドサービスは、国内のデジタル経済を推進する重要な要素です。これにより、人とテクノロジーが連携し、高付加価値の製品やサービスを生み出すことが可能になります。タイ国民にとってのメリットも多岐にわたり、特に高度なスキルを要する職業の創出は、直接的および間接的に広がります。また、製造業、金融業、新しいテクノロジーやイノベーション、ヘルスケア、観光、eコマース、その他のサービス業の成長を促進します。タイの事業者は、高品質なクラウドサービスやその他のデジタル技術に簡単にアクセスできるようになり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、データのスピードと安全性が求められる現代のビジネス環境での発展を支援します。これにより、タイは、地域のデジタル経済の中心として成長していくでしょう。」と、ナリット・テートサティーラサック氏は述べています。
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